x2b.なみがうちの猫になる-2

2011年9月 6日 (火)

黒猫のなみちゃんがうちの子になるまで(11) ここが君の居場所だよ


帰宅直後はぐったり。ゴハンも食べません。

「さあ帰ってきたね。まずはゴハンと水だ。ほら、食べな。これまでほとんど食べられなかったろ?」

猫キャリーの扉を開けて、目の前にカリカリと水を置きました。でもぜんぜん動かないです。目を閉じてじっとしてる。ずっとそのままなので、キャリーから引っ張り出しました。少し部屋の中をパトロールしたら、安全そうなちゃぶ台の下で「借りてきた猫」のように固まってしまいました。まあ馴れるまで、1週間でも待つしかないと思いました。

それでももういちど引っ張り出して話しかけてみる。そうしたら不意に私の足のまわりを一周。それで全てが解けました。ゴハンも食べました。そう、あの花壇で私の膝に乗ってきた、あのときのままのなみが、いまここに居ます。


一夜明けて、すっかり元気になりました(9月7日撮影)


ここが君の居場所だよ。でも半分ははなちゃんの場所だからね。仲良くするんだよ。(9月19日撮影)


窓辺のお気に入りの椅子の上(9月28日撮影)

それから はなちゃん、ずっと君にお礼を言ってなかったね。なみちゃんと出会えたのも、再会できたのも、全部君の導きだと思ってるよ。ありがとうね。これからもずっと僕と一緒にいてね。


出会ってから 5年目のはな(1997年12月8日撮影)

ということで、なみに出会ってからうちの子になるまでの日記を書いてみました。かっこいいエンディングとか書ければいいんですけど難しいし、これからまた書くことがいろいろあると思いますので、ひとまず筆を置かせていただきます。お読み下さいましてありがとうございます。今後の記事でも、どうぞよろしくお願い致します。(10月1日)

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※もしよろしければ なみのゴロゴロと寝息 を聴きにいらして下さい(^-^)/

黒猫のなみちゃんがうちの子になるまで(10) やっと会えたね!

こんなに話がうまく行っていいのだろうか、と思いました。

AM 電車車庫から帰宅、昼寝
16:22 昼寝中に警備の方から電話、「保護した」とのこと
17:35 再び電車車庫へ伺う

守衛室におじゃますると、黒猫が保護されていました。姿、声、間違いない。なみちゃんだね。やっと会えたね!でもどうした、すっかりおとなしくなっちゃって?

警備員さんの中に、猫に詳しい方がいらっしゃいました。「このところの雨のせいでしょうか、鼻炎がひどいようですね。病院に連れて行ってあげて下さい。以前、やはり鼻炎になった子が抗生物質を処方されたことがあります」。そしてみなさんから「大事にしてあげて下さい」とのお言葉をいただきました。例の猫キャリーにもおとなしく入り、車で自宅に向かっているところです。

※ 警備の皆様、大変にお世話になりました。みなさまのおかげで、なみはいま(実際にこの記事を書いている 9月30日)もとても元気にしております。本当にありがとうございます。

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黒猫のなみちゃんがうちの子になるまで(9) 「保護したら連絡します」

猫を捕まえたいからといって、電車車庫に立入許可はもらえません。ですがその猫は繰り返し守衛所に来てるので、保護できたら連絡をいただけることになりました。

それはとてもありがたいことでした。何故なら、あの子にとって私は『何回も捕まえに来た悪いやつ』、姿を見たら多分逃げてしまうでしょうから。

でも心配はまだあります。あの子は人懐っこいんですが、捕まえたり建物に入らせようとしたりすると人が変わったように暴れるんですね。でもそれを警備の方々に白状すると「じゃあ捕まえられないですねー」と言われるのが怖いので言えませんでした。あの子も本当の野良生活の怖さが身にしみておとなしくなってるんじゃないか。このところ雨も多かったし、暴れる元気がなくなってるんじゃないか。その辺にかけるしかありません。警備の皆様、だまっててごめんなさい

ということで、あとはもうお任せするしかありません。何日かかるか分かりませんし、保護できるかどうか自体分かりません。せめて営業のように、定期的にこちらに顔を出させて下さいとお願いして帰りました。

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黒猫のなみちゃんがうちの子になるまで(8) 居ましたか!?


なみちゃんが捨てられた雑木林から「その場所」を望む(9月5日撮影)

その場所を通り過ぎる時、「あれ?」と思いました。
車で雑木林からコンビニへ向かう途中のことです。そこは電車車庫の正門で、守衛所の外で警備の方が朝の掃除をしていました。でもそのときは、何を「あれ?」と思ったかよく分かりませんでした。

コンビニに着き、会計のとき店員さんに。
「すみません、黒い猫がこの辺りにいないですか?探しているんですが。」
「はあ、見てないですねえ・・・」
まあ仕方ないよね、と車に乗ったとき、さっき「あれ?」と思ったことを思い出しました。何をそう思ったのかなオレ?

車や歩きでなみちゃんを探してるとき、ずっと『自分がいまのあの子だったら、何処へ行く?いまこの景色はどう見えてる?』って考えてました。そうだ、あの電車車庫、うちの事業所に似てない?

敷地の広さも建造物の密度も、この車庫の方がずっと広々としてるけど、アスファルトで敷き詰められた敷地、数階のコンクリートの建物、スーツや作業着の人等に、あの子はうちの事業所と似た雰囲気を感じるんじゃないかなと思いました。

どうせ空に違いない箱を開けてみる気持ちで、電車車庫に戻ってみました。こんな朝に守衛所の前に車を停めるなんて怪しいけど。警備員さんを訪ねました。
「あの、黒い猫って見ませんでしたか?」
「え?あーなんか居ましたよ。」
居ましたか!?」(ちょっと声が大き過ぎました。)
そこへ技師さんらしい方が自転車で現れ、警備員さんが聞いてくれました。
「ねえ、猫居ましたよね?黒いの。」
「ああ、居た居た。なんか逃げないんだよ。」

追いついた!と思いました。

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2011年9月 5日 (月)

黒猫のなみちゃんがうちの子になるまで(7) 雑木林へ


なみちゃんはこの雑木林に捨てられた

昨日の朝、車でなみちゃんが捨てられた辺りに行ってみましたが、詳しい場所が分からず、成果無しでした。そこで今日の午後に駐車場の係員さんを訪ねたら、地図を書いてくれました。そのまま再び現地へ。「クロ(=なみちゃん)、クロ!」と呼んで歩いても反応がなく、本日の出社時刻 19時が迫ってきたので、2回目の捜索を終えました。

出社して上司の Yさんに相談。現地周辺には Yさんの知人宅が多数あり、黒猫を見たら教えてくれることになっています。これが一番の望みですが、今日のところ情報はありません。

市役所や動物愛護センターにも聞きました。犬の場合と異なり、猫の場合、野良の通報があっても捕獲はしないと聞いてすこしは安心しましたが、その分、手掛かりも得られません。八方塞がりっぽいです。

そういえば、数百メートル離れたところにコンビニがあるのを思い出しました。そこで食べ物をもらってたりしないかな。よし、明日アサイチで行ってみよう!

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2011年9月 3日 (土)

黒猫のなみちゃんがうちの子になるまで(6) なみちゃんがいなくなった

更に公休が 1晩あり、今夕出社すると、なみちゃんが誰かにもらわれていった、と聞きました。突然のことで気持ちの整理がつきませんが、あの子のために良かったのだと思うことにしました。

ただ、いまいちよくわかりません。猫って簡単な思いつきですぐ飼えるかな。あの子を飼おうとしてる人がいたなんて、全然聞いたことない・・・

それで夜になって上司の Yさんが事業所駐車場の係員さんに電話で聞いてくれたら、本当は総務の人の命令で 山に捨ててきた とのこと。

所内ではクロちゃん(=なみちゃん)に食べ物をあげる人も増えたし、ひょっとして、このままここで生きて行けるかもしれないと思い始めてましたが、大甘でした。会社では立場上、猫が住み着くのを容認できない部課もあるのでしたね。

Yさんが駐車場の係員さんから、捨てて来た場所を聞いてくれました。早速 google の航空写真で調べると、それは宅地開発が進みつつある山っぽい雑木林でした。すぐにでも飛んで行きたいですが、仕事が終わる明朝まで待たなければなりません。

私の膝の上を、あの子は覚えてるかな。いまどこに、どんな気持ちでいるのだろう?どう探せばいい?見つけられるんだろうか?

今晩の仮眠、眠れそうにありません。

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