音声(MR-2内蔵マイク) 3'27"
音声(RODE NT4) 5'18"
KORG MR-2 の内蔵マイクと RODE NT4 を比べてみました。
場所は 【春缶22】とほぼ同じ、関東鉄道龍ヶ崎線 入地駅から龍ヶ崎駅に向かって1つめの踏切のところです。日没の少し後、辺りは次第に暗くなり、虫の声がします。
MR-2 のマイクもなかなか良いなと思っていたのですが、直接比べてみると、やはり音質もステレオ感も、さすが NT4 という感じでした。
狙って録ったわけではありませんが、虫の声は、ステレオ感のチェックにちょうど良かったです。前方中央でたくさんの虫たちの合唱が、左と右では控えめなソロが聞こえます。NT4 ではそのいずれもが左右に十分に広がっているけど、MR-2 の内蔵マイクではかなり中央に集まっています。NT4 版のあとに内蔵マイク版を聞くと、ちょっとモノラルっぽいとさえ思います。(前の記事では違うこと書いてごめんなさい。ここまで違うとは思ってませんでした。)
音質の差は、マイク自体にかけたコストがちがうので仕方なく、MR-2 は十分健闘していると思います。ですが、このステレオ感の差は・・・やはりマイクの左右がオープンになってないのが影響していないでしょうか? マイクの左右に支柱があるのは、マイクを縦に 210度回転させるためだと思います。それは録音時の MR-2 のセッティングを楽にします。でも、1bit 録音を望んで MR-2 を買う人が、多少のセッティングの苦労を免れるために、ステレオ感を犠牲にしたがるでしょうか。この点はとても残念です。MR-2 は、その全身が「良い音を記録する」ためにあるはずなのに、そこだけコンセプトが違う気がします。
とはいえ、MR-1 から乗り換えたメリットは十分にありました。特に単3充電池2本で長時間動作するのはありがたいです。実は MR-1000 にしちゃおうかなーという考えもありましたが、高価だし、単3充電地8本というのも大変です。
MR-2 は、内蔵マイクのステレオ感が弱いのと、バランス型入力ができない点(通常の録音では差は出ないでしょうけど、電気的なノイズの多い場所ではやはり安心かと)、せっかくの 1bit 録音を活かし切れてないと思いますが、それでも外部マイクを使う限り、私にとってはコレが一番です。
【追記 2010/10/05】
MR-1 から乗り換えた、もうひとつのメリットに言及するのを忘れました。MR-2 ではマイク感度 "Mic Sens" を、Low, Mid, High の3通りに設定可能です。MR-1 のマニュアルでは "sens" で検索してもヒットしないので、多分、MR-1 では設定できなかった項目です。
MR-1 に NT4 をつないで大きな音を録音すると、録音レベルを調整してもどうにもならず音が歪んでしまうことが多かったです。MR-1000 ではマイク端子の横に "GAINスイッチ" があり、Low, High の2通りに設定可能です。多分これを使えば、音が歪む問題を解決できるだろうなと思ってました。MR-1000 を一番うらやましいと思っていたのがこの点でした。アッテネータを使えばもしかしたら同じなのかもしれませんが、私はこの点よく知りません。まあ製品に付いている機能なら間違いはないだろうと考えてます。 MR-1 + NT4(特にアンバランス型接続時) では結局上手に録れなかったバンド練習や飛行機の離陸音を、MR-2 + NT4 ではどう録れるのか。試すのは少し先になりますが、楽しみです。
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